「PMOとはどれくらい需要があるのでしょうか。」
「PMOの市場価値はどうなっていくのか?」
AI技術が進んでいく中、PMOの市場価値は今後どうなっていくのか不安なかたもいるのではないでしょうか。
PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)の需要は年々高まっており、プロジェクトの成功に欠かせない存在です。この記事では、PMOの役割や必要性、今後の成長可能性と市場価値について解説します。また、価値のあるPMOとは何ができる人なのかについてもまとめています。PMOを目指しているかたやPMOから今後のキャリアについて考えるかたに向けた情報なので、転職を考えている方は是非参考にしてみてください。
目次
PMOとは?どういう仕事?
PMOの需要や将来性は?やめておいたほうがいい?
PMOの年収はどれくらい?市場価値のあるPMOとは
PMOとは?どういう仕事?
そもそもPMOとはどういう仕事なのでしょうか。なんとなくわかっているつもりで、きちんと説明できるかたは意外と少ないのではないでしょうか。
PMOの仕事は大きく分けると4つです。
プロジェクトの進行管理
品質管理
リスク管理
コミュニケーションのサポート
プロジェクトの進行管理
PMOのメイン業務は、プロジェクトの進行管理です。もう少し具体的にいうと、プロジェクトのスケジュール管理と、プロジェクトに参加しているメンバーの工数を管理します。プロジェクトのスケジュールの見積もりや、スケジュールを管理し、遅れている場合はどのように巻き返すかを考え、調整する必要があります。
また、プロジェクトメンバーの業務時間の管理や、サブコンが相手の場合は、清算を超えていないかを管理する必要があります。
品質管理
開発するシステムの品質管理も業務内容に入っています。ユーザー目線で問題なく使えるかどうかのチェックはもちろんのこと、システムの保守・運用が問題なくできるかどうかや、必要に応じてプロジェクトが終わった後にクライアント企業での運用レギュレーションの作成を行うのもPMOの仕事のひとつです。
リスク管理
ここでいうリスク管理は、システムに対するリスク管理ではなく、クライアント企業に対するリスク管理や社内のリスク管理を指します。クライアント企業と認識の相違がないように、請け負う業務や、リリース後の運用方法に関して、何をどこまで行うのかを決める必要があります。例えば、コストが理由でできないものがあれば、予算の調整をするなどクライアント企業と折衝していきます。
また、社内のリスク管理では、プロジェクトメンバーのアサインや入退社に伴う事務作業や管理などです。例えば退職の際は、会社が付与している業務機器の管理を行います。会社付与の機器をなくしてしまうとインシデントが発生してしまい、改善防止策やチェック体制の強化を行います。
コミュニケーションのサポート
PMOはクライアント企業とのコミュニケーションはもちろん、プロジェクトを円滑に進めていくために社内のプロジェクトメンバーともコミュニケーションをとる必要があります。簡単なところでいうとクライアントへの報告や定例会などの日程調整から、会議のファシリテーションの役割などさまざまです。よくありがちなのが、会議の際に司会役になってしまうかたもいますが、これはNGです。
クライアント企業と意見がかみ合わないときにうまく調整したり、落としどころを見つけたり、次回までにどういった調査が必要なのかを出したりと、参加者の発言を促したり、議論を深めたり、合意形成をとれるように調整できてこそ意味があります。
業務内容を見てみて、PMとPMOは業務内容が同じでは?何が違うの?と疑問に思ったかたもいるのではないでしょうか。
PMとPMOの違いをわかりやすく解説
| PM(プロジェクトマネージャー) | PMO(プロジェクトプロジェクトマネジメントオフィス) |
役割 | プロジェクトの最高責任者 | プロジェクトマネージャーの支援を行う |
役割の詳細 | 1つのプロジェクトのマネージメントと管理を行う | プロジェクトマネージャーの支援を行う、場合によっては複数のプロジェクトを跨いで管理する |
将来性 | ITコンサルタントへの転職を描く人が多い | チームのマネジメントや管理職へ進む人が多い |
実業務にそこまで大きな違いはありませんが、PMのほうがより実務に近く、PMOはPMの補佐といったイメージです。そのため組織図で見るとPMOはPMの横または下のチームとなっていることが多いです。
PMOの需要や将来性は?やめておいたほうがいい?
PMOへの就職はやめておいた方がいいという声もありますが、実際PMOの将来性や需要はどうなのでしょうか。
PMOの需要は高まっている!
PMOの市場価値は非常に高まっています。企業が効率的にプロジェクトを管理し、成果を上げるためには、PMOのような専門組織が欠かせません。特にIT業界や大規模プロジェクトを持つ企業では、プロジェクトの複雑化に伴い、PMOの需要が増えています。PMOが関わることで、プロジェクトの成功率が上がり、全体的な業務効率も改善されるため、多くの企業がPMOに価値を見出しています。
今後もPMOの需要は拡大が予測されており、デジタルトランスフォーメーション(DX)の進展に伴い、企業は複数のプロジェクトを同時に進行することが求められます。PMOはこれらのプロジェクトを統合的に管理し、リスクを最小限に抑え、確実に成功へ導く役割が求められます。また、リモートワークの普及により、効率的な業務管理の必要性が高まっている点も、PMOの需要を後押ししています。
将来的には、PMOの役割はさらに広がり、より戦略的な役割が求められるでしょう。単なる進行管理にとどまらず、プロジェクト成果を経営戦略に反映させる役割が期待されています。企業の成長を支える重要なポジションとして、PMOは市場価値を高め続け、さらに多くの業界で必要とされる存在になるでしょう。
PMOになったあとの将来性は?
PMOになったあと、どのようにキャリアアップしていけばいいのか悩んでいるかたもいるのではないのでしょうか。PMOは、マネジメント能力を磨いていくかたが多いです。
PMOは大きく分けて3つの役割あるので、どれかに特化してスキルを身に着けていくのがいいでしょう。
PMOの3つの役割
PMOアドミニストレータ
PMOエキスパート
PMOマネージャー
PMOアドミニストレータ
PMOアドミニストレータは、プロジェクトに関する社内の工数をどれだけ削減しつつ、円滑に進められるかが求められます。
いわゆる事務的な作業が多く、社内のデータの管理やコスト管理など、日常的な管理業務を担当し、必要に応じてプロジェクトメンバーやクライアントへ共有します。
PMOエキスパート
PMOエキスパートは、プロジェクトの作業の流れや資料の作成方法をレギュレーション化して、誰が対応しても品質が変わらないようにする役割を担っています。例えば、人によってデータのまとめ方が違うと社内でも混乱してしまうため、データのまとめ方をルール化します。一定の品質を保つために重要な役割です。
PMOマネージャー
PMOマネージャーは、プロジェクト管理全体の責任を担い、チームの指導や調整を行います。PMOメンバーの業務がスムーズに進むように、PMO全体を管理・監督する役割です。PMOメンバーの勤怠管理・教育・組織戦略を行います。
これらの役割が連携することで、PMOはプロジェクトチーム全体の生産性を向上させ、プロジェクトの成功に貢献します。それぞれの役割は異なる強みを持ちながらも、共通の目標に向かって協力するため、信頼できるプロジェクト管理体制を築くことができます。
PMOの年収はどれくらい?市場価値のあるPMOとは
PMOは需要が高く将来性もあるということがわかりましたが、実際の年収はいくらくらいなのでしょうか。
PM・PMOの平均収入は
661,926円 / 月給 です。
条件にもよりますが、高いところであれば月収800,000円を超えるところもあります。
では、稼げるPMOと稼げないPMOではどういった違いがあるのでしょうか。
稼げないPMO
手続き業務がメインとなっている人
人の受け入れや社内業務がメインの人
進捗管理のときにコミュニケーションをとらずに集計をまとめるだけの人
稼げるPMO
進捗管理のときにメンバーやリーダーから意見を吸い上げて活かせる人
クライアントとの会議の際にファシリテーションが取れる人
トラブルがあったときに対策・対応ができる人
ルールを定義づけてクライアントにもルール化をして推進できる人
リスク・コスト管理ができる人
すごく簡単にまとめると、業務を淡々とこなす人よりも、人とコミュニケーションをとってその内容を反映できたり、クライアントと折り合いがつかないときに折衝できたり、進捗が遅れそうなときに調整できるPMOは市場価値が高いです。
また、プロジェクトに対してクライアント企業の経営者目線で考えられ、必要に応じて自ら提案や行動ができると、よりPMOとしての価値が高まります。
PMOの案件は、フリーランスでも増えてきています。
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